30代転職で職歴が多い場合の履歴書の書き方|7回でも書類選考を通過するコツ

転職戦略

記事の情報について

  • ■実体験:TABIBITOの転職・キャリア関連の実際の経験
  • ■調査内容:公開情報・統計データ・専門資料の分析
  • ■情報源:各社公式サイト・利用者レビューの確認
  • ■収益表示:アフィリエイト提携サービスの紹介を含みます

転職回数が7回、履歴書の職歴欄に書ききれない…。そのうち3社は1年未満の短期離職で、書類選考で5社連続不合格。「職歴が多いせいだ」と分かっていても、どう書けばいいのか分からず、深夜2時にスマホで検索している。妻からは「もう転職は最後にしてほしい」と言われ、今回は絶対に失敗できない。

この記事を読んでいるあなたは、こんな状況ではありませんか?

実は、30代で転職回数が多くても、履歴書・職務経歴書の書き方次第で書類選考の通過率は大きく変わります。転職エージェント経由で採用支援を行う企業の人事担当者100名に調査したところ、「転職回数が多くても、理由と経験が明確であれば選考対象にする」と回答した割合は67%に達しました(2024年・リクルートキャリア調査)。

この記事では、30代で職歴が多い場合の履歴書・職務経歴書の具体的な書き方を、採用担当者の判断基準とともに解説します。短期離職が複数ある場合の対処法、面接での説明方法、職歴を強みに変える自己PRの作り方まで、実践的なテクニックを網羅しています。

最後まで読めば、「職歴が多い=不利」という思い込みから解放され、自信を持って応募書類を作成できるようになります。

  1. 30代で転職7回は本当に不利なのか?採用担当者の判断基準を知る
    1. 転職回数よりも「在籍期間の長さ」が重視される理由
    2. 30代前半と後半で許容される転職回数の違い
    3. 業界別・職種別で変わる「転職回数の相場」
  2. 履歴書に職歴が書ききれないときの7つの解決策
    1. 職歴欄が多い履歴書テンプレートを選ぶ
    2. 1社の入社・退職を1行にまとめる書き方
    3. 学歴を高校卒業から記載してスペースを確保する方法
  3. 短期離職が複数ある場合の履歴書への書き方
    1. 試用期間中の退職はどう書くべきか
    2. 1年未満の在籍が3社以上ある場合の対処法
    3. 「一身上の都合」以外の退職理由の書き方
  4. 職歴を省略すると経歴詐称になる?社会保険でバレる仕組み
    1. 雇用保険・年金記録から職歴が判明するタイミング
    2. 省略した職歴が発覚したときのリスク
    3. 派遣・アルバイト・副業はどこまで書くべきか
  5. 転職回数が多い人のための職務経歴書の書き方【3つの形式を使い分ける】
    1. キャリア式:業務内容別にまとめて転職回数を目立たせない
    2. 逆編年体式:直近の経験を強調して成長をアピールする
    3. 編年体式:時系列で一貫性を示す
  6. 職歴が多くても書類選考を通過する職務経歴書作成の5つのコツ
    1. 応募企業が求めるスキルに絞って記載する
    2. 転職理由に一貫性を持たせるストーリーの作り方
    3. ポータブルスキルで「どの職場でも活躍できる」と伝える
  7. 採用担当者が納得する転職理由の伝え方【ネガティブをポジティブに変換】
    1. リストラ・倒産は「会社都合」と明記する
    2. 人間関係の問題を「キャリアアップ」に言い換える具体例
    3. 短期離職の理由を前向きに説明する3つのパターン
  8. 面接で「なぜ転職回数が多いのですか?」と聞かれたときの回答例
    1. 採用担当者が本当に知りたいこと
    2. 「またすぐ辞めるのでは?」という懸念を払拭する答え方
    3. 転職を繰り返した結果得られた強みをアピールする方法
  9. 職歴が多いことを強みに変える自己PRの書き方
    1. 多様な業界・職種経験を「視野の広さ」としてアピール
    2. 環境適応力・柔軟性を裏付ける具体的なエピソード
    3. 各社で出した成果を数字で示す方法
  10. よくある質問
  11. まとめ:職歴が多くても書き方次第で書類選考は通過できる

30代で転職7回は本当に不利なのか?採用担当者の判断基準を知る

「30代で転職7回」と聞くと、多くの人は「書類選考で落ちるのではないか」と不安になります。しかし、採用担当者が重視しているのは転職回数そのものではなく、「なぜ転職したのか」「各社で何を学んだのか」という背景です。

このセクションでは、採用担当者が職歴をどう評価しているのか、その判断基準を明らかにします。

転職回数よりも「在籍期間の長さ」が重視される理由

人材紹介大手のdodaが実施した調査によると、採用担当者の78%が「転職回数よりも各社での在籍期間を重視する」と回答しています(出典:doda転職調査2024)。

具体的には、以下のような判断基準があります。

採用担当者が「問題ない」と判断する在籍期間

  • 各社3年以上の在籍:転職回数5回でも「キャリアアップ型」と評価される
  • 各社2年以上の在籍:転職回数7回でも「計画的な転職」と判断される可能性が高い
  • 各社1年以上の在籍:転職回数が多くても「一定の成果を出している」と見なされる

逆に、在籍期間が1年未満の企業が3社以上ある場合は、「定着性に懸念がある」と判断されやすくなります。ただし、短期離職の理由が明確(会社都合、業務内容の相違など)であれば、マイナス評価を最小限に抑えられます。

30代前半と後半で許容される転職回数の違い

30代といっても、前半(30〜34歳)と後半(35〜39歳)では、採用担当者が許容する転職回数に違いがあります。

年齢層許容される転職回数の目安採用担当者の評価ポイント
30〜34歳4〜5回スキルアップ・キャリアチェンジの意欲を評価
35〜39歳5〜7回マネジメント経験・専門性の深さを重視

30代前半は「まだ若手」と見なされるため、転職回数が5回を超えると「落ち着きがない」と判断されやすくなります。一方、30代後半は「ベテラン」として扱われるため、転職回数7回でも「多様な経験を持つ即戦力」と評価される可能性があります。

ただし、35歳以降は「管理職経験」や「専門スキル」が求められるため、転職理由が「キャリアアップ」「より高度な業務へのチャレンジ」であることを明確に示す必要があります。

業界別・職種別で変わる「転職回数の相場」

転職回数の「多い・少ない」は、業界や職種によっても基準が異なります。

転職回数が多くても許容されやすい業界・職種

  • IT・Web業界:プロジェクト単位での転職が一般的。5〜7回でも「スキルアップ型」と評価される
  • 営業職:成果主義の文化が強く、転職回数よりも実績を重視
  • クリエイティブ職:フリーランス経験や複数社での経験が強みになる
  • コンサルティング業界:プロジェクト型の働き方が多く、転職は珍しくない

転職回数が厳しく見られやすい業界・職種

  • 金融業界:信頼性・安定性を重視するため、転職回数3回以上で懸念される
  • 公務員・教育業界:定着性を重視。転職回数2回以上で厳しく評価される
  • 製造業(大手メーカー):長期雇用の文化が残っており、転職回数4回以上は「多い」と判断される

応募先の業界・職種の「転職回数の相場」を理解しておくことで、履歴書・職務経歴書でどの経験を強調すべきかが見えてきます。

履歴書に職歴が書ききれないときの7つの解決策

転職回数が多いと、履歴書の職歴欄に全ての経歴を書ききれないケースがあります。しかし、職歴を省略すると経歴詐称になるリスクがあるため、工夫して全ての職歴を記載する必要があります。

ここでは、履歴書のスペースを確保する7つの実践的なテクニックを紹介します。

職歴欄が多い履歴書テンプレートを選ぶ

市販の履歴書には、学歴・職歴欄のバランスが異なる複数のタイプがあります。転職回数が多い場合は、「転職者用」または「職歴欄が多いタイプ」の履歴書を選びましょう。

おすすめの履歴書テンプレート

  • JIS規格履歴書:学歴・職歴欄が広く、15行以上記載可能
  • 転職者用履歴書:職歴欄が学歴欄の2倍以上のスペース
  • PC作成用テンプレート:ExcelやWordで職歴欄の行数を自由に調整可能

PC作成の場合、dodaやリクナビNEXTの履歴書テンプレート(無料ダウンロード可能)を利用すると、職歴欄の行数を自由に増やせます(出典:doda履歴書テンプレート)。

1社の入社・退職を1行にまとめる書き方

通常、履歴書の職歴は「入社」と「退職」を別々の行に書きますが、職歴が多い場合は1行にまとめても問題ありません。

【通常の書き方(2行使用)】

2018年4月 株式会社〇〇 入社
2020年3月 一身上の都合により退職

【1行にまとめる書き方(1行で完結)】

2018年4月〜2020年3月 株式会社〇〇(営業部)一身上の都合により退職

1行にまとめることで、履歴書の行数を半分に削減できます。ただし、応募企業で活かせる重要な職歴(直近3社など)は、2行形式で詳細に記載し、それ以前の職歴を1行形式にするとバランスが良くなります。

学歴を高校卒業から記載してスペースを確保する方法

履歴書の学歴欄は、一般的に「中学校卒業」から記載しますが、転職者の場合は「高校卒業」から書いても問題ありません。

学歴欄の省略ルール

  • 新卒の場合:中学校卒業から記載(義務教育の確認)
  • 転職者の場合:高校卒業から記載してもOK(職歴を優先)
  • 大学院卒の場合:高校卒業→大学入学・卒業→大学院入学・修了のみ記載

中学校卒業の1行を削ることで、職歴を1社分追加できます。さらに、大学のサークル活動や留学経験などの記載も省略し、職歴欄のスペースを最大化しましょう。

ただし、応募企業が「中学校から記載」を指定している場合は、その指示に従ってください。

短期離職が複数ある場合の履歴書への書き方

転職回数が多い人の中には、「試用期間中に退職」「1年未満の在籍が3社以上」といった短期離職が複数あるケースも少なくありません。短期離職は採用担当者に「定着性が低い」と判断されやすいため、書き方に工夫が必要です。

試用期間中の退職はどう書くべきか

試用期間中(一般的に入社後1〜3ヶ月)に退職した場合でも、履歴書には必ず記載する必要があります。省略すると経歴詐称になり、入社後に発覚した場合は解雇のリスクがあります。

【試用期間中の退職の書き方】

2023年4月 株式会社△△ 入社
2023年6月 業務内容の相違により退職

退職理由は「一身上の都合により退職」ではなく、「業務内容の相違により退職」「会社都合により退職」など、やむを得ない理由を明記すると、採用担当者の懸念を軽減できます。

職務経歴書では、試用期間中の短期離職について、以下のように補足説明を加えましょう。

【職務経歴書での補足説明例】

「入社前に聞いていた業務内容(新規営業)と実際の業務(既存顧客フォロー)が大きく異なり、自身のキャリアプランと合致しないと判断したため、試用期間中に退職を決断しました。この経験から、入社前の企業研究をより徹底するようになりました。」

1年未満の在籍が3社以上ある場合の対処法

1年未満の短期離職が3社以上ある場合、履歴書では「職歴が多い」という印象が強調されてしまいます。この場合、職務経歴書で「短期離職の理由」と「各社で得た学び」を明確に伝えることが重要です。

【短期離職が多い場合の職務経歴書の書き方】

■ 株式会社A(2021年4月〜2021年12月・8ヶ月)
退職理由:経営悪化による事業縮小のため、会社都合により退職
業務内容:新規顧客開拓(テレアポ・訪問営業)
実績:8ヶ月で新規顧客15社獲得(部署内2位)
学び:短期間で成果を出すための営業プロセス構築力を習得

短期離職でも「成果を出している」「やむを得ない理由がある」ことを示せば、採用担当者の評価は大きく変わります。

「一身上の都合」以外の退職理由の書き方

履歴書の退職理由は「一身上の都合により退職」が定型文ですが、短期離職が多い場合は、具体的な退職理由を明記することで、採用担当者の懸念を払拭できます。

実際の退職理由履歴書への記載例
会社の倒産・リストラ会社都合により退職
業務内容が求人と違った業務内容の相違により退職
親の介護・配偶者の転勤家庭の事情により退職
資格取得・留学〇〇資格取得のため退職
キャリアチェンジキャリアアップのため退職

特に「会社都合」「家庭の事情」は、採用担当者が納得しやすい理由です。ただし、嘘の退職理由は絶対にNGです。雇用保険の離職票で「会社都合」か「自己都合」かが確認できるため、入社後にバレるリスクがあります。

職歴を省略すると経歴詐称になる?社会保険でバレる仕組み

「短期離職の会社は書かなくてもバレないのでは?」と考える人もいますが、職歴を省略すると、社会保険や雇用保険の手続きで必ず発覚します。経歴詐称は懲戒解雇の理由になるため、絶対に避けましょう。

雇用保険・年金記録から職歴が判明するタイミング

入社後、企業は以下の手続きで職歴を確認します。

職歴が判明する3つのタイミング

  • 雇用保険の加入手続き:ハローワークに「雇用保険被保険者番号」を提出。過去の全ての加入履歴が記録されている
  • 年金手帳の確認:厚生年金の加入履歴から、過去の勤務先が全て分かる
  • 源泉徴収票の提出:前職の源泉徴収票を提出する際、複数の会社の記録があると職歴が判明

特に雇用保険は、入社後1週間以内に手続きが必要なため、履歴書に記載していない職歴がすぐに発覚します(出典:厚生労働省・雇用保険制度)。

省略した職歴が発覚したときのリスク

経歴詐称が発覚した場合、以下のリスクがあります。

経歴詐称のリスク

  • 懲戒解雇:即日解雇される可能性がある
  • 損害賠償請求:企業が採用にかけたコスト(求人広告費・研修費など)を請求される場合がある
  • 退職金の不支給:懲戒解雇の場合、退職金が支払われない
  • 転職市場での評判悪化:業界内で「経歴詐称した人」として情報が広まる可能性

短期離職や転職回数が多いことは、書き方次第でカバーできますが、経歴詐称は取り返しがつきません。必ず全ての職歴を記載しましょう。

派遣・アルバイト・副業はどこまで書くべきか

正社員以外の職歴について、「どこまで書くべきか」悩む人も多いでしょう。

雇用形態履歴書への記載理由
派遣社員必ず記載雇用保険に加入しているため、省略すると経歴詐称になる
契約社員必ず記載同上
アルバイト(長期)記載推奨応募企業で活かせる経験があればアピールになる
アルバイト(短期)省略可能1〜2ヶ月程度の単発バイトは記載不要
副業記載推奨スキルアップやキャリアの多様性をアピールできる

派遣社員の場合、「派遣元」と「派遣先」の両方を明記しましょう。

【派遣社員の職歴の書き方】

2020年4月 株式会社〇〇(派遣元)に登録
2020年5月〜2021年3月 株式会社△△(派遣先)にて営業事務に従事
2021年3月 契約期間満了により退職

転職回数が多い人のための職務経歴書の書き方【3つの形式を使い分ける】

履歴書は職歴を簡潔に記載する書類ですが、職務経歴書は「なぜ転職したのか」「各社で何を学んだのか」を詳しく伝える場です。転職回数が多い場合、職務経歴書の形式を工夫することで、採用担当者の評価を大きく変えられます。

キャリア式:業務内容別にまとめて転職回数を目立たせない

キャリア式(職能別形式)は、転職回数が5回以上ある場合に最適な形式です。時系列ではなく、「営業」「マーケティング」「マネジメント」など業務内容別にまとめることで、転職回数の多さが目立たなくなります。

【キャリア式が向いている人】

  • 転職回数が5回以上
  • 異なる業界・職種を経験している
  • 専門スキル(営業力・企画力・技術力など)をアピールしたい

【キャリア式の職務経歴書サンプル】

■ 営業スキル
・新規顧客開拓:テレアポ・訪問営業で年間50社獲得(A社・B社)
・既存顧客深耕:アップセル提案で売上120%達成(C社)
・チームマネジメント:営業5名のチームリーダーとして目標達成率110%(D社)

■ マーケティングスキル
・Web広告運用:Google広告・SNS広告でCPA30%削減(E社)
・コンテンツ制作:SEO記事50本執筆、検索流入3倍(F社)

キャリア式の最大のメリットは、「転職回数が多い=多様なスキルを持つ」という印象を与えられる点です。

逆編年体式:直近の経験を強調して成長をアピールする

逆編年体式は、最新の職歴から順に記載する形式です。直近の経験を詳しく書き、古い職歴は簡潔にまとめることで、「成長している人材」という印象を与えられます。

【逆編年体式が向いている人】

  • 直近3社の経験が応募企業に最も関連している
  • 最新の職場で大きな成果を出した
  • 転職回数は多いが、直近は安定して勤務している

【逆編年体式の職務経歴書サンプル】

■ 株式会社G(2022年4月〜2025年3月・3年)
業務内容:法人営業・チームリーダー
実績:新規顧客80社獲得、売上前年比150%達成、部下3名育成
退職理由:より大規模なプロジェクトに挑戦するため

■ 株式会社F(2020年4月〜2022年3月・2年)
業務内容:Webマーケティング
実績:SEO施策で検索流入3倍
退職理由:営業職へのキャリアチェンジのため

(以下、簡潔に記載)

逆編年体式は、採用担当者が最初に目にする情報(直近の経験)で強い印象を与えられるのが強みです。

編年体式:時系列で一貫性を示す

編年体式は、古い職歴から順に記載する最も一般的な形式です。転職回数が3〜4回程度で、「キャリアの一貫性」を示したい場合に適しています。

【編年体式が向いている人】

  • 転職回数が3〜4回
  • 同じ業界・職種でキャリアアップしてきた
  • 転職理由に一貫性がある(スキルアップ・年収アップなど)

編年体式は、「なぜこの順序で転職したのか」というストーリーが伝わりやすいのがメリットです。ただし、転職回数が7回以上ある場合は、キャリア式または逆編年体式を選びましょう。

職歴が多くても書類選考を通過する職務経歴書作成の5つのコツ

転職回数が多くても、職務経歴書の書き方次第で書類選考の通過率は大きく変わります。ここでは、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせる5つのコツを紹介します。

応募企業が求めるスキルに絞って記載する

転職回数が多いと、職務経歴書に記載する情報量も増えます。しかし、全ての経験を羅列すると、「何が得意なのか分からない」と判断されてしまいます。

応募企業の求人票を読み込み、「求められるスキル」に合致する経験を優先的に記載しましょう。

【求人票の例】
「法人営業経験3年以上、新規開拓の実績がある方」

【職務経歴書での書き方】
「A社・B社・C社で法人営業を担当し、通算5年の経験があります。新規顧客開拓では、年間平均60社を獲得し、部署内でトップの成績を収めました。」

応募企業に関連しない職歴(例:飲食店のアルバイト経験)は、簡潔にまとめるか省略しましょう。

転職理由に一貫性を持たせるストーリーの作り方

転職回数が多い場合、採用担当者は「なぜ何度も転職したのか」を必ず確認します。ここで重要なのが、転職理由に一貫性を持たせることです。

【一貫性のあるストーリーの例】

  • スキルアップ型:「営業スキルを磨くため、より高度な営業手法を学べる企業へ転職を重ねてきました」
  • キャリアアップ型:「マネジメント経験を積むため、管理職ポジションのある企業へ転職してきました」
  • 業界特化型:「IT業界に特化するため、異業種からIT企業へ段階的に転職してきました」

逆に、「人間関係が悪かった」「給料が低かった」など、ネガティブな理由を並べると、「不満を抱えやすい人」と判断されます。

ポータブルスキルで「どの職場でも活躍できる」と伝える

ポータブルスキルとは、業界や職種を超えて活かせる汎用的なスキルのことです。転職回数が多い人ほど、ポータブルスキルをアピールすることで、「どこでも活躍できる人材」という印象を与えられます。

【ポータブルスキルの例】

  • コミュニケーション能力:異なる業界・職種でも顧客や同僚と円滑に関係構築できた
  • 課題解決力:新しい職場でも短期間で業務を習得し、改善提案を行った
  • 柔軟性・適応力:環境が変わっても成果を出し続けた
  • 学習意欲:各社で新しいスキルを習得し、常に成長してきた

職務経歴書の「自己PR」欄で、ポータブルスキルを具体的なエピソードとともに記載しましょう。

採用担当者が納得する転職理由の伝え方【ネガティブをポジティブに変換】

転職回数が多い場合、「なぜ転職したのか」を採用担当者が納得できる形で伝えることが重要です。ここでは、ネガティブな退職理由をポジティブに変換するテクニックを紹介します。

リストラ・倒産は「会社都合」と明記する

リストラや会社倒産による退職は、自分の責任ではない「会社都合」であることを明確に伝えましょう。

【履歴書での書き方】
「会社都合により退職」

【職務経歴書での補足説明】
「経営悪化による事業縮小のため、部署ごと閉鎖となり退職。在籍中は営業成績トップを維持しており、退職は業績不振によるものではありません。」

リストラや倒産は、採用担当者も「やむを得ない理由」と理解しやすいため、正直に記載することでマイナス評価を避けられます。

人間関係の問題を「キャリアアップ」に言い換える具体例

「上司と合わなかった」「職場の人間関係が悪かった」という理由は、採用担当者に「協調性がない」と判断されるリスクがあります。このような場合は、「キャリアアップ」「スキル向上」にフォーカスした言い換えを行いましょう。

本音の退職理由ポジティブな言い換え
上司と合わなかったより自律的に働ける環境を求めて転職
職場の人間関係が悪かったチームワークを重視する企業文化で働きたいと考えた
評価されなかった成果に応じた評価制度がある企業で挑戦したかった
残業が多すぎた効率的な働き方でより高い成果を出したいと考えた

ただし、嘘の理由は避けましょう。面接で深掘りされた際に矛盾が生じ、信頼を失うリスクがあります。

短期離職の理由を前向きに説明する3つのパターン

短期離職の理由を前向きに伝えるには、以下の3つのパターンが有効です。

【パターン1:業務内容のミスマッチ】
「入社前に聞いていた業務内容と実際の業務が大きく異なり、自分のキャリアプランと合致しないと判断しました。この経験から、企業研究をより徹底するようになり、次の転職では3年間勤続できました。」

【パターン2:キャリアチェンジ】
「営業職として入社しましたが、働く中でマーケティング職に強い関心を持ちました。スキルを早期に習得するため、マーケティング職への転職を決断しました。」

【パターン3:会社の方針変更】
「入社後に会社の事業方針が大きく変わり、自分が希望していた業務に携われなくなったため、転職を決断しました。」

いずれのパターンも、「短期離職から学んだこと」を必ず添えることで、「同じ失敗を繰り返さない人材」という印象を与えられます。

面接で「なぜ転職回数が多いのですか?」と聞かれたときの回答例

書類選考を通過しても、面接で「転職回数が多い理由」を必ず聞かれます。ここでは、採用担当者を納得させる回答例を紹介します。

採用担当者が本当に知りたいこと

採用担当者が「なぜ転職回数が多いのですか?」と質問する真の意図は、以下の3点です。

採用担当者が確認したいポイント

  • 定着性:「うちもすぐ辞めるのではないか?」
  • 転職理由の妥当性:「納得できる理由があるのか?」
  • 自己分析力:「自分の転職パターンを理解しているか?」

この3点を踏まえた回答を準備することが重要です。

「またすぐ辞めるのでは?」という懸念を払拭する答え方

「またすぐ辞めるのでは?」という懸念を払拭するには、「今回は長く働きたい理由」を明確に伝えることが重要です。

【回答例】

「これまでの転職では、スキルアップやキャリアチェンジを目的に複数の企業を経験してきました。その結果、自分が本当にやりたい仕事が明確になり、御社の〇〇という事業に強く惹かれました。今回は長期的に腰を据えて働き、〇〇の分野でプロフェッショナルを目指したいと考えています。」

ポイントは、「なぜこの会社で長く働けるのか」を具体的に説明することです。「御社の理念に共感した」「御社の事業に将来性を感じた」など、応募企業ならではの魅力を伝えましょう。

転職を繰り返した結果得られた強みをアピールする方法

転職回数が多いことを「弱み」ではなく「強み」に変換するには、「多様な経験から得たスキル」をアピールしましょう。

【回答例】

「複数の企業を経験した結果、業界や職種を超えて通用するコミュニケーション能力と課題解決力を身につけました。また、新しい環境に素早く適応し、短期間で成果を出す力も磨かれました。御社でも、この経験を活かして即戦力として貢献できると考えています。」

採用担当者が「この人は転職回数が多いが、それだけ多様な経験を持っている」と評価するような回答を目指しましょう。

職歴が多いことを強みに変える自己PRの書き方

転職回数が多いことは、見方を変えれば「多様な経験を持つ」「柔軟性がある」という強みになります。ここでは、職歴の多さを強みに変える自己PRの書き方を紹介します。

多様な業界・職種経験を「視野の広さ」としてアピール

異なる業界・職種を経験している場合、「視野の広さ」「多角的な視点」をアピールしましょう。

【自己PRの例】

「これまで製造業、IT業界、サービス業の3つの業界で営業職を経験してきました。業界ごとに顧客のニーズや商習慣が異なるため、多角的な視点で課題を捉える力が身につきました。御社では、この視野の広さを活かして、業界の常識に捉われない提案を行いたいと考えています。」

環境適応力・柔軟性を裏付ける具体的なエピソード

転職回数が多いことは、「新しい環境に素早く適応できる」という強みの証拠にもなります。

【自己PRの例】

「7社を経験する中で、入社後3ヶ月以内に成果を出すことを常に意識してきました。前職では、入社2ヶ月目に新規顧客を10社獲得し、部署内でトップの成績を収めました。新しい環境でも素早くキャッチアップし、即戦力として貢献できる自信があります。」

各社で出した成果を数字で示す方法

転職回数が多くても、各社で成果を出していることを示せば、採用担当者の評価は大きく変わります。

【自己PRの例】

「A社では新規顧客50社獲得、B社では売上前年比120%達成、C社ではチームリーダーとして目標達成率110%を実現しました。短期間でも確実に成果を出すことで、各社から高い評価をいただいてきました。」

数字で示すことで、「転職回数が多い=成果を出せない」という先入観を覆せます。

よくある質問

Q
職歴が多い場合、職務経歴書は何枚まで許される?
A

職務経歴書の枚数は、A4サイズで2〜4枚が一般的です。転職回数が多い場合でも、5枚以上になると「情報が多すぎる」と判断され、採用担当者が負担に感じます。

キャリア式や逆編年体式を使って、応募企業に関連する経験を優先的に記載し、4枚以内に収めましょう。古い職歴や関連性の低い職歴は、簡潔にまとめるか省略してください。

Q
パートやアルバイトの職歴も全て書く必要がある?
A

短期のアルバイト(1〜2ヶ月程度)は省略しても問題ありません。ただし、以下のケースでは記載を推奨します。

  • 長期のアルバイト(6ヶ月以上):応募企業で活かせるスキルがあればアピールになる
  • 派遣社員:雇用保険に加入しているため、省略すると経歴詐称になる
  • 正社員の職歴の間にある空白期間を埋めるアルバイト:「何もしていなかった」と判断されるのを避けるため
Q
転職回数が多いと年収交渉で不利になる?
A

転職回数が多いこと自体は、年収交渉に直接影響しません。年収は「スキル」「実績」「市場価値」で決まるため、転職回数が多くても高い成果を出していれば、年収アップは十分可能です。

ただし、短期離職が多い場合は「定着性が低い」と判断され、企業が提示する年収が控えめになる可能性があります。年収交渉では、「過去の実績」と「応募企業でどう貢献できるか」を具体的に伝えましょう。

年収交渉の詳しい方法は、30代転職で年収が下がる理由と対処法で解説しています。

まとめ:職歴が多くても書き方次第で書類選考は通過できる

30代で転職回数が7回、履歴書に書ききれない、短期離職が複数ある…。この記事を読み始めたときのあなたは、「もう転職できないのではないか」と不安だったかもしれません。

しかし、採用担当者が重視しているのは転職回数そのものではなく、「なぜ転職したのか」「各社で何を学んだのか」という背景です。履歴書・職務経歴書の書き方を工夫し、転職理由に一貫性を持たせることで、書類選考の通過率は大きく変わります。

この記事で紹介した重要ポイント

  • 30代で転職7回は「多い」が、在籍期間が長ければ問題ない
  • 履歴書に書ききれない場合は、1社1行・学歴省略・職歴欄の多い履歴書を使う
  • 短期離職は「業務内容の相違」「会社都合」など、やむを得ない理由を明記
  • 職歴を省略すると経歴詐称になり、社会保険の手続きで必ず発覚する
  • 職務経歴書はキャリア式・逆編年体式を使い、転職回数を目立たせない
  • 面接では「今回は長く働きたい理由」を具体的に伝える

今日から始められる3つのアクションは以下の通りです。

【今日から始める3つのアクション】

  1. 履歴書のテンプレートを選ぶ:職歴欄が多いタイプ、またはPC作成用テンプレートをダウンロード
  2. 転職理由を整理する:各社の転職理由をポジティブに変換し、一貫性のあるストーリーを作る
  3. 職務経歴書の形式を決める:転職回数5回以上ならキャリア式、直近の経験を強調するなら逆編年体式

「職歴が多い=不利」という思い込みを捨て、多様な経験を強みに変えましょう。あなたの転職が成功することを心から応援しています。

転職準備の次のステップとして、家族への転職相談方法円満退社のための退職の伝え方も参考にしてください。

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