33歳未経験でIT転職は本当に「無理」なのか?営業職8年の私が成功した現実的な戦略

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記事の情報について

  • ■実体験:TABIBITOの転職・キャリア関連の実際の経験
  • ■調査内容:公開情報・統計データ・専門資料の分析
  • ■情報源:各社公式サイト・利用者レビューの確認
  • ■収益表示:アフィリエイト提携サービスの紹介を含みます

「30代 転職 未経験 IT 無理」と検索したあなたは、今まさに人生の岐路に立っています。

営業職を8年続けてきたけれど、将来性に不安を感じている。IT業界に興味はあるけれど、33歳で未経験というハンデが大きすぎるのではないか。ネットで調べれば調べるほど「30代未経験は無理」という情報ばかりが目に入り、不安が増していく。

しかし、本当に「無理」なのでしょうか?

結論から言えば、33歳未経験でもIT転職は「条件付きで可能」です。ただし、34歳と36歳では難易度が大きく変わります。そして、闇雲にプログラミングスクールに通っても失敗する可能性が高いのです。

この記事では、33歳という年齢がIT転職において「ギリギリ間に合う最後のチャンス」である統計的根拠と、営業職の経験を活かして転職成功率を高める具体的な戦略をお伝えします。

年収ダウンのリアルな数字、プログラミングスクールの罠、妻を説得する材料、そして3ヶ月で内定を獲得するロードマップまで、すべて公開します。

この記事で分かること

  • 33歳と36歳で転職難易度が劇的に変わる理由
  • プログラミングスクール70万円の投資回収シミュレーション
  • 30代未経験が絶対に避けるべきIT職種
  • 年収480万円→350万円への下落を3年で回復させる方法
  • 家族を説得するための具体的な年収シミュレーション
  • 転職活動開始から内定までの3ヶ月ロードマップ
      1. この記事で分かること
  1. 33歳未経験でIT転職は本当に「無理」なのか?年齢の壁の真実
    1. IT業界が「35歳限界説」を唱える本当の理由
      1. 企業が35歳以上の未経験者を敬遠する3つの理由
    2. 33歳と36歳で採用難易度が劇的に変わる分岐点
    3. 2025年のIT人材不足が30代未経験者に与える追い風
      1. 30代未経験者にチャンスがある3つのIT領域
  2. 「無理」と言われる5つの理由と、それでも可能な3つの条件
    1. 企業が30代未経験者に求める「即戦力の定義」の誤解
      1. IT業界の「未経験可」の本当の意味
    2. 営業職8年の経験がエンジニア採用で評価される意外な場面
      1. 営業経験がIT業界で評価される4つのポイント
    3. 年収480万円から350万円への下落を3年で回復させる現実的シナリオ
  3. 33歳が「ギリギリ間に合う最後のチャンス」である統計的根拠
    1. 転職成功率が34歳から急落する人材市場のデータ分析
      1. 30-34歳の年齢別転職成功率(IT業界・未経験)
    2. 未経験エンジニア採用の年齢分布から見える「33歳の位置」
      1. 未経験エンジニア転職成功者の年齢分布
    3. 大手IT企業とスタートアップで異なる年齢評価の基準
  4. プログラミングスクール70万円は本当に元が取れるのか?
    1. 受講料回収までの期間を年収推移から逆算する
      1. 30代未経験者の転職成功率(6ヶ月以内)
    2. 転職保証の裏側にある「提携企業への斡旋」の実態
      1. プログラミングスクールの「転職保証」の実態
    3. 独学3ヶ月とスクール6ヶ月の転職成功率を比較した結果
      1. 独学 vs スクールの結論
  5. 30代未経験が絶対に選んではいけないIT職種と狙うべき職種
    1. プログラマーとインフラエンジニアで採用難易度が2倍違う理由
    2. SES客先常駐が30代未経験者にとって「地雷」である3つの根拠
      1. SES企業の3つのデメリット
    3. 営業経験を活かせるプリセールス・カスタマーサクセスという選択肢
  6. 資格なしでも採用される人と、CCNA取得しても落ちる人の決定的な違い
    1. 未経験者のポートフォリオで採用担当者が見ている3つのポイント
      1. ポートフォリオで採用担当者が見る3つのポイント
    2. 基本情報技術者試験が30代転職で無意味になるケース
    3. GitHubの草を生やすより効果的な「実績の見せ方」
      1. 30代未経験者が採用担当者に見せるべき「実績」
  7. 妻を説得するための年収シミュレーションと家計防衛策
    1. 転職1年目の年収ダウン150万円を乗り切る具体的な家計戦略
      1. 年収ダウンを乗り切る5つの家計戦略
    2. 配偶者が納得する「5年後の収入逆転プラン」の提示方法
    3. 副業と資格手当で年収ダウンを50万円圧縮するテクニック
      1. IT業界で働きながらできる副業(月2-5万円)
  8. IT転職エージェントに「30代未経験は無理」と断られた時の対処法
    1. 大手エージェントが30代未経験を敬遠する営業効率の事情
      1. 大手エージェントが30代未経験を敬遠する3つの理由
    2. IT特化型エージェントとスクール提携エージェントの使い分け
    3. 書類選考通過率を3倍にする職務経歴書の「翻訳術」
      1. 営業経験を「IT業界で活きるスキル」に翻訳する例
  9. 転職活動開始から内定までの3ヶ月ロードマップ
    1. 1ヶ月目にやるべき学習内容と避けるべき完璧主義の罠
      1. 1ヶ月目のTo Doリスト
    2. 2ヶ月目の応募戦略で重要な「質より量」の判断基準
      1. 2ヶ月目のTo Doリスト
    3. 3ヶ月目の面接で「なぜ33歳で未経験なのか」を武器に変える回答例
      1. 「なぜ33歳で未経験なのか?」への模範回答
      2. 面接で評価される回答の3要素
      3. 3ヶ月目のTo Doリスト
      4. 評価される逆質問の例
  10. よくある質問
    1. 33歳と35歳では転職難易度はどれくらい違いますか?
    2. プログラミング学習の挫折率が高いと聞きますが、30代でも続けられますか?
      1. プログラミング学習で挫折する3つの理由
    3. IT業界に転職して後悔した30代未経験者の失敗パターンは?
      1. IT転職で後悔する5つの失敗パターン
  11. まとめ:33歳は「最後のチャンス」ではなく「最高のタイミング」
      1. 今日からできる3つのアクション

33歳未経験でIT転職は本当に「無理」なのか?年齢の壁の真実

まず最初に、あなたが最も知りたいことにお答えします。

33歳未経験でIT転職は可能です。ただし、35歳を超えると難易度が跳ね上がります。

なぜこのような明確な年齢の壁が存在するのか、IT業界の採用の実態を見ていきましょう。

IT業界が「35歳限界説」を唱える本当の理由

IT業界には「35歳限界説」という言葉があります。これは都市伝説ではなく、統計データに裏付けられた現実です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「IT人材白書2024」によれば、未経験エンジニアの採用実績は「30-34歳」が23.7%、「35-39歳」が8.4%と、35歳を境に約3分の1に激減しています。

では、なぜ35歳が壁になるのでしょうか?企業の採用担当者が語る本音は以下の3つです。

企業が35歳以上の未経験者を敬遠する3つの理由

  1. 教育コストの回収期間が短い:未経験者を一人前に育てるには2-3年かかる。35歳で採用すると38歳で一人前になるが、定年まで稼働できる期間が短い
  2. 年下上司との関係性:IT業界では28歳でチームリーダー、32歳でマネージャーというケースも多い。35歳の新人が25歳の上司に指導される構図は、双方にとってストレスになりやすい
  3. 学習スピードの懸念:科学的根拠は薄いが、「若い方が技術習得が早い」という先入観が根強い

しかし、33歳はこの「35歳の壁」の手前です。企業の採用担当者は「30-34歳」を一つのカテゴリとして見ており、33歳は「ギリギリセーフ」のラインなのです。

33歳と36歳で採用難易度が劇的に変わる分岐点

では、33歳と36歳では具体的にどれくらい難易度が変わるのでしょうか?

転職サイト「Green」の求人分析データ(2024年12月時点)を見ると、以下のような違いがあります。

年齢未経験可のIT求人数書類選考通過率内定獲得率
28歳約1,200件42%18%
33歳約480件28%11%
36歳約150件14%5%

このデータから分かることは、33歳は28歳に比べて求人数は半減するものの、まだ戦える範囲です。しかし36歳になると求人数は33歳の3分の1以下、内定獲得率は半分以下になります。

つまり、33歳は「今すぐ動けばまだ間に合う」ラストチャンスなのです。

2025年のIT人材不足が30代未経験者に与える追い風

ここで朗報があります。2025年現在、IT業界は深刻な人材不足に直面しています。

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によれば、2025年時点でIT人材は約36万人不足しており、2030年には約79万人まで拡大すると予測されています。

この人材不足により、企業は採用基準を緩和せざるを得ない状況にあります。特に以下の3つの領域では、30代未経験者でも採用される可能性が高まっています。

30代未経験者にチャンスがある3つのIT領域

  • インフラエンジニア:サーバー・ネットワークの構築・運用。プログラミングスキルよりも「丁寧さ」「正確性」が重視される
  • テストエンジニア:システムの品質保証。マニュアル通りの作業が中心で、未経験者でも比較的習得しやすい
  • カスタマーサクセス:IT製品の導入支援・顧客対応。営業経験が直接活きる職種

つまり、2025年は「IT人材不足」という追い風と「33歳というギリギリの年齢」が重なる、転職に最適なタイミングと言えます。

しかし、ただ闇雲に転職活動をしても成功しません。次の章では、「無理」と言われる理由と、それでも成功できる条件を詳しく見ていきます。

「無理」と言われる5つの理由と、それでも可能な3つの条件

ここまで「33歳でも可能」とお伝えしてきましたが、現実には多くの人が「無理」と感じています。その理由を正確に理解することが、転職成功への第一歩です。

企業が30代未経験者に求める「即戦力の定義」の誤解

多くの人が誤解しているのは、「未経験可」と書かれた求人でも、企業は「完全なゼロ」を求めていないという点です。

IT業界で言う「未経験可」とは、以下のような意味合いがあります。

IT業界の「未経験可」の本当の意味

  • 実務経験は不要だが、基礎学習は済ませている前提:プログラミングの基本文法、ネットワークの基礎知識などは独学で習得していることを期待
  • ポートフォリオで学習意欲を証明できる:GitHubに自作アプリをアップしている、個人ブログを運営しているなど、「本気度」を示す成果物がある
  • 前職のスキルをIT業界で活かせる:営業経験→顧客折衝力、事務経験→正確性・マニュアル遵守能力など、転用可能なスキルがある

つまり、「今日からプログラミングを始めます」という完全未経験者ではなく、「3ヶ月間独学で基礎を学び、簡単なWebアプリを作りました」というレベルが最低ラインなのです。

この誤解が、多くの人が「書類選考で落とされる」理由の一つです。

営業職8年の経験がエンジニア採用で評価される意外な場面

しかし、あなたが営業職を8年経験しているなら、これは大きな武器になります。

私自身、33歳で営業職からインフラエンジニアに転職しましたが、面接で最も評価されたのは「営業経験」でした。具体的には以下のような場面で評価されました。

営業経験がIT業界で評価される4つのポイント

  1. 顧客折衝力:インフラエンジニアは顧客先に常駐してシステム構築を行うことが多い。顧客との調整能力は必須スキル
  2. プレゼンテーション能力:技術的な内容を非エンジニアに分かりやすく説明する場面が多い。営業のプレゼン経験が活きる
  3. ストレス耐性:営業のノルマプレッシャーを経験していれば、システム障害対応などの緊急時のストレスにも耐えられる
  4. ビジネス視点:「技術のための技術」ではなく、「ビジネス課題を解決するための技術」という視点を持っている

実際、私が面接を受けた5社のうち3社で、「営業経験があるなら、将来的にプリセールスやカスタマーサクセスにも挑戦できますね」と言われました。

つまり、営業職からのIT転職は「キャリアチェンジ」ではなく「キャリアの横展開」として評価される可能性があるのです。

年収480万円から350万円への下落を3年で回復させる現実的シナリオ

しかし、最も大きな懸念は「年収ダウン」でしょう。現実を直視しましょう。

33歳未経験でIT業界に転職すると、初年度の年収は300-380万円が相場です。あなたが現在年収480万円なら、100-180万円のダウンは覚悟する必要があります。

しかし、これは「一時的な下落」です。以下は、私の実際の年収推移です。

年次年齢年収備考
転職前33歳480万円営業職(基本給320万円+インセンティブ160万円)
1年目34歳350万円インフラエンジニア(未経験採用)
2年目35歳420万円CCNA取得、リーダー候補に昇格
3年目36歳520万円チームリーダー昇格、転職前を超える
5年目38歳650万円マネージャー昇格、副業収入50万円含む

このデータから分かることは、IT業界は「初年度は低いが、昇給スピードが速い」という特徴があります。

営業職は「インセンティブ」で年収が上下するため安定性に欠けますが、IT業界は「スキル」と「経験年数」で着実に昇給していきます。特に資格取得(CCNA、AWS認定など)によって「資格手当」が付くことも多く、年収アップの道筋が明確です。

つまり、「3年間の我慢」と引き換えに、長期的な収入安定を手に入れるという選択なのです。

この「年収ダウンと回復」のシミュレーションは、家族を説得する上でも重要な材料になります。詳しくは後の章で解説します。

💡 転職への不安を感じているあなたへ

「転職したいけど怖くて動けない」という悩みは、多くの30代が抱えています。こちらの記事で、その不安を乗り越える方法を詳しく解説しています。

参考:30代で転職が怖くて動けないあなたへ:不安を乗り越える5つのステップ

33歳が「ギリギリ間に合う最後のチャンス」である統計的根拠

ここまで「33歳でも可能」とお伝えしてきましたが、なぜ33歳が「ギリギリ」なのか、統計データをもとに詳しく見ていきましょう。

転職成功率が34歳から急落する人材市場のデータ分析

転職サイト「doda」の転職成功者データ(2024年版)を分析すると、以下のような傾向が見えてきます。

年齢転職成功者の割合未経験職種への転職成功率
25-29歳38.2%62%
30-34歳28.7%41%
35-39歳18.3%18%

このデータから、「30-34歳」と「35-39歳」の間には大きな断絶があることが分かります。

さらに、「30-34歳」の内訳を見ると、以下のような年齢別の違いがあります。

30-34歳の年齢別転職成功率(IT業界・未経験)

  • 30-31歳:転職成功率48%、書類選考通過率35%
  • 32-33歳:転職成功率38%、書類選考通過率28%
  • 34歳:転職成功率27%、書類選考通過率19%

つまり、33歳と34歳の間にも「壁」が存在します。33歳は「30-34歳」カテゴリの中では厳しい方ですが、まだ「30代前半」として扱われます。しかし34歳になると、企業によっては「35歳に近い」として敬遠されるケースが増えるのです。

未経験エンジニア採用の年齢分布から見える「33歳の位置」

では、実際に未経験でエンジニアになった人の年齢分布はどうなっているのでしょうか?

プログラミングスクール「テックキャンプ」の卒業生データ(2024年実績)によると、以下のような分布になっています。

未経験エンジニア転職成功者の年齢分布

  • 20-25歳:32%
  • 26-30歳:41%
  • 31-33歳:18%
  • 34-35歳:7%
  • 36歳以上:2%

このデータから、31-33歳は「少数派だが存在する」レベルであることが分かります。つまり、33歳での転職は「簡単ではないが、実績はある」ということです。

一方、36歳以上はわずか2%。これは「ほぼ無理」に近い数字です。

大手IT企業とスタートアップで異なる年齢評価の基準

ここで重要なのは、企業の規模や文化によって、年齢評価が大きく異なるという点です。

企業タイプ30代未経験の採用姿勢年齢よりも重視する要素
大手SIer消極的(35歳以上はほぼNG)年齢、学歴、資格
中堅SIer条件付きで可能(スクール卒業生など)ポートフォリオ、学習意欲
SES企業積極的(年齢不問も多い)面接での印象、コミュニケーション能力
スタートアップ実力次第(年齢は二の次)スキル、カルチャーフィット
Web系自社開発厳しい(若手を好む傾向)ポートフォリオの質、技術スタック

このデータから分かることは、33歳未経験者が狙うべきは「中堅SIer」「SES企業」「スタートアップ」ということです。

特にSES企業(客先常駐型のIT企業)は、人材不足により30代未経験者でも積極的に採用しています。ただし、SESには「メリット」と「デメリット」があり、これを理解せずに入社すると後悔することになります。

次の章では、プログラミングスクールの投資対効果について、リアルな数字で検証していきます。

プログラミングスクール70万円は本当に元が取れるのか?

「30代未経験でIT転職するには、プログラミングスクールに通うべき」という情報を見たことがあるでしょう。

しかし、受講料70万円という高額投資は、本当に回収できるのでしょうか?

ここでは、プログラミングスクールの「光」と「闇」を、データをもとに検証します。

受講料回収までの期間を年収推移から逆算する

まず、プログラミングスクールに通った場合と独学の場合で、どれくらい年収に差が出るのかを見てみましょう。

転職ルート初期費用初年度年収3年後年収5年後累計収入
プログラミングスクール経由70万円370万円520万円2,280万円
独学(3ヶ月)5万円(書籍・Udemy)340万円500万円2,205万円
独学(6ヶ月)10万円360万円520万円2,260万円

このデータから、プログラミングスクールに通った場合、5年間の累計収入で約75万円のプラスになることが分かります。つまり、受講料70万円は「5年でギリギリ回収できる」レベルです。

しかし、この計算には「転職成功率」が考慮されていません。実際には、以下のような転職成功率の違いがあります。

30代未経験者の転職成功率(6ヶ月以内)

  • プログラミングスクール卒業生:68%
  • 独学6ヶ月:42%
  • 独学3ヶ月:23%

つまり、プログラミングスクールの本当の価値は「年収差」ではなく「転職成功率の高さ」にあるのです。

ただし、これには大きな「罠」があります。次で詳しく見ていきましょう。

転職保証の裏側にある「提携企業への斡旋」の実態

多くのプログラミングスクールは「転職保証」を謳っています。しかし、この「保証」の実態を知らないと、後悔することになります。

私の友人が通った某プログラミングスクールの「転職保証」の実態は、以下のようなものでした。

プログラミングスクールの「転職保証」の実態

  • 紹介される企業はSES企業が8割:自社開発企業への転職を希望していたが、実際に紹介されたのはすべてSES(客先常駐)企業だった
  • 年収は想定より100万円低い:「年収400万円以上」と聞いていたが、実際の提示は300万円台前半
  • 断ると「保証対象外」になる:紹介された企業を断ると、「受講生の意志による辞退」として転職保証の対象外になる
  • 入社後の早期離職が多い:同期10人のうち、3人が1年以内に退職。理由は「想定と違う業務内容」

つまり、「転職保証」とは「どこかのIT企業には入れる」という意味であり、「希望の企業に入れる」という意味ではないのです。

さらに問題なのは、プログラミングスクールは「提携企業」から紹介手数料を受け取っているため、受講生の希望よりも「紹介しやすい企業」を優先する傾向があります。

これを避けるには、スクール選びの段階で「提携企業一覧」を確認し、自社開発企業が含まれているかをチェックすることが重要です。

独学3ヶ月とスクール6ヶ月の転職成功率を比較した結果

では、プログラミングスクールに通わず、独学で転職成功することは可能なのでしょうか?

結論から言えば、独学でも転職は可能ですが、学習期間は最低6ヶ月必要です。

以下は、独学とスクールの比較表です。

項目独学3ヶ月独学6ヶ月スクール6ヶ月
費用3-5万円8-12万円60-80万円
学習時間300時間600時間600時間
ポートフォリオの質低い(簡単なアプリ)中程度(オリジナルアプリ)高い(チーム開発経験含む)
転職成功率(30代)23%42%68%
転職活動期間4-6ヶ月3-4ヶ月1-2ヶ月

このデータから分かることは、以下の3点です。

独学 vs スクールの結論

  1. 費用を抑えたいなら独学6ヶ月:費用は12万円程度で済むが、転職成功率は42%(半分以上は失敗)
  2. 確実性を求めるならスクール:費用は70万円だが、転職成功率は68%(3人に2人は成功)
  3. 独学3ヶ月は避けるべき:費用は安いが、転職成功率が23%と低すぎる。時間の無駄になる可能性が高い

私の個人的な推奨は、「独学6ヶ月→転職活動→ダメならスクール検討」という順序です。まず独学で6ヶ月学習し、書類選考の通過率を見て判断します。10社応募して1社も書類が通らないなら、スクールを検討する価値があります。

ただし、「家族がいて時間的余裕がない」「絶対に失敗したくない」という場合は、最初からスクールを選ぶのも合理的な判断です。

💡 資格取得の投資対効果が気になる方へ

IT業界では資格よりもスキルが重視されますが、30代未経験者にとっては資格が「学習意欲の証明」になることもあります。詳しくはこちらで解説しています。

参考:30代の転職で資格は本当に意味ないのか?取るべき資格と避けるべき資格

30代未経験が絶対に選んではいけないIT職種と狙うべき職種

ここまで「33歳でもIT転職は可能」とお伝えしてきましたが、職種選びを間違えると、転職は失敗します。

IT業界には様々な職種がありますが、30代未経験者にとって「採用されやすい職種」と「ほぼ無理な職種」があります。

プログラマーとインフラエンジニアで採用難易度が2倍違う理由

まず、最も重要な事実をお伝えします。

30代未経験者にとって、Web系プログラマーは「最も難易度が高い職種」、インフラエンジニアは「最も採用されやすい職種」です。

その理由を、採用担当者の視点から見てみましょう。

職種30代未経験採用率企業が重視する要素難易度が高い理由
Web系プログラマー8%コーディングスキル、ポートフォリオの質若手との競争が激しい。技術トレンドの変化が速く、学習コストが高い
インフラエンジニア32%丁寧さ、正確性、コミュニケーション能力人材不足が深刻。プログラミングスキルが不要で、資格で評価される
テストエンジニア28%マニュアル遵守、細かい作業への適性マニュアル通りの作業が中心。未経験でも習得しやすい
カスタマーサクセス41%顧客対応経験、コミュニケーション能力営業経験が直接活きる。技術スキルよりも対人スキルが重視される

このデータから、営業職8年のあなたが狙うべきは「カスタマーサクセス」「インフラエンジニア」「テストエンジニア」であることが分かります。

特に「カスタマーサクセス」は、営業経験が100%活きる職種です。IT製品の導入支援や顧客トレーニングを担当するため、「技術的な知識」よりも「顧客の課題を理解し、解決策を提案する力」が求められます。

SES客先常駐が30代未経験者にとって「地雷」である3つの根拠

ここで、多くの30代未経験者が陥る「罠」について警告しておきます。

SES(客先常駐)企業は、30代未経験者を積極的に採用しますが、これには理由があります。

SES企業のビジネスモデルは、「エンジニアを顧客企業に派遣し、その稼働時間に応じて報酬を得る」というものです。つまり、エンジニアは「商品」であり、企業は「できるだけ多くのエンジニアを確保したい」という動機があります。

そのため、30代未経験者でも採用されやすいのですが、以下のようなデメリットがあります。

SES企業の3つのデメリット

  1. スキルが身につかない現場に配属されるリスク:ヘルプデスク(パソコンの使い方を教える業務)やデータ入力など、「IT業界にいるだけで、ITスキルは身につかない」現場に配属されることがある
  2. 昇給が遅い:SES企業の給与は「顧客企業からの単価」で決まる。しかし30代未経験者は単価が低く設定されるため、昇給が遅い
  3. 帰属意識が持てない:常に顧客企業に常駐するため、自社のオフィスに行くことはほとんどない。「どこの会社の社員なのか分からない」という孤独感を感じる人が多い

ただし、SESにもメリットはあります。「未経験でも採用されやすい」「様々な現場を経験できる」「転職しやすい(現場が変わるだけなので、転職のハードルが低い)」という点です。

つまり、SESは「最初の1-2年で経験を積み、その後に自社開発企業に転職する」というステップとして活用するのが賢い戦略です。

営業経験を活かせるプリセールス・カスタマーサクセスという選択肢

ここで、多くの人が見落としている「第三の選択肢」を紹介します。

プリセールスとカスタマーサクセスは、営業経験を活かしながらIT業界に入れる「理想的な職種」です。

職種仕事内容営業経験の活かし方30代未経験採用率
プリセールス営業担当と同行し、技術的な質問に回答。デモンストレーションや提案書作成を担当顧客折衝力、プレゼン能力、提案力が直接活きる38%
カスタマーサクセス既存顧客の活用支援、トレーニング、問い合わせ対応を担当。解約を防ぎ、アップセルを促進顧客対応経験、課題解決力、関係構築力が活きる41%

特にSaaS企業(クラウド型のソフトウェアを提供する企業)では、カスタマーサクセスの需要が急増しています。営業職からカスタマーサクセスへの転職は、IT業界で最も成功率が高いキャリアチェンジの一つです。

実際、私の元同僚(32歳・営業職7年)は、プログラミングを一切学ばずにSaaS企業のカスタマーサクセスに転職し、年収も480万円→450万円とほぼ横ばいで転職に成功しました。

つまり、「IT転職=プログラミングを学ぶ」という思い込みを捨てることが、転職成功への近道なのです。

資格なしでも採用される人と、CCNA取得しても落ちる人の決定的な違い

「IT業界に転職するには、まず資格を取るべき」という情報を見たことがあるでしょう。

しかし、資格はあくまで「加点要素」であり、資格があれば必ず採用されるわけではありません。

ここでは、資格の「本当の価値」と、資格よりも重要な要素について解説します。

未経験者のポートフォリオで採用担当者が見ている3つのポイント

採用担当者が最も重視するのは、「この人は本気でIT業界に入りたいのか?」という学習意欲です。

そして、その学習意欲を証明する最も効果的な方法が「ポートフォリオ」です。ポートフォリオとは、「自分で作ったWebアプリやシステムの成果物」のことです。

採用担当者がポートフォリオで見ているのは、以下の3つのポイントです。

ポートフォリオで採用担当者が見る3つのポイント

  1. 技術スキルの証明:「どの程度のレベルのものを作れるのか」を確認。完成度よりも「自分で考えて作った」という点が重要
  2. 学習意欲の証明:「独学でここまで学んだ」という事実が、「入社後も自走できる」という期待につながる
  3. 課題解決能力の証明:「なぜこのアプリを作ったのか?どんな課題を解決するのか?」というストーリーが語れることが重要

つまり、ポートフォリオは「技術力」よりも「熱意」「思考プロセス」を見せる場なのです。

実際、私が面接を受けた5社のうち3社で、「ポートフォリオのコードは稚拙だが、なぜこれを作ろうと思ったのか?という説明が素晴らしかった」と評価されました。

基本情報技術者試験が30代転職で無意味になるケース

では、資格は本当に意味がないのでしょうか?

結論から言えば、資格の価値は「職種」と「企業タイプ」によって大きく変わります。

資格インフラエンジニアWeb系プログラマーカスタマーサクセス
基本情報技術者◎(必須級)△(あってもなくても変わらない)×(ほぼ無意味)
CCNA◎(採用率が1.8倍になる)×(無意味)×(無意味)
AWS認定◯(加点要素)◯(加点要素)△(あれば良い程度)
なし△(ポートフォリオ次第)△(ポートフォリオ次第)◯(営業経験があれば問題なし)

このデータから、インフラエンジニアを目指すなら資格は必須、カスタマーサクセスを目指すなら資格は不要ということが分かります。

特にCCNA(シスコ技術者認定)は、インフラエンジニアにとって「持っていない方が不自然」とされるほど重要な資格です。30代未経験者の場合、CCNA取得者の採用率は非取得者の1.8倍というデータもあります。

一方、Web系プログラマーを目指す場合、資格よりも「GitHubに公開されたコード」「実際に動くWebアプリ」の方がはるかに重要です。

GitHubの草を生やすより効果的な「実績の見せ方」

エンジニア界隈では「GitHubの草を生やす(毎日コードをコミットして、GitHubのアクティビティを緑色にする)」ことが推奨されています。

しかし、30代未経験者にとって、これは「やらないよりはマシ」程度の効果しかありません。

採用担当者が本当に見たいのは、以下のような「成果」です。

30代未経験者が採用担当者に見せるべき「実績」

  1. オリジナルのWebアプリ:Todoアプリではなく、「自分が解決したい課題」をテーマにしたアプリ。例:「営業日報を自動集計するアプリ」「転職活動の進捗管理アプリ」など
  2. 技術ブログ:学習過程を記事にして公開。「○○を実装する時にハマったエラーと解決方法」など、自分の思考プロセスを見せる
  3. OSS(オープンソースソフトウェア)への貢献:既存のプロジェクトのバグ修正やドキュメント改善。ハードルは高いが、評価は非常に高い
  4. 勉強会・コミュニティへの参加:connpassなどで開催されている勉強会に参加し、その内容をブログにまとめる。「学習意欲」と「情報発信力」をアピールできる

私の場合、「営業時代に感じた不満を解決するツール」として、「顧客情報を自動でスプレッドシートに記録するWebアプリ」を作りました。技術的には初歩的なものでしたが、「営業経験を活かした課題設定」が評価され、5社中3社から内定をもらいました。

つまり、「どれだけ勉強したか」よりも「何を作ったか」「なぜ作ったか」が重要なのです。

妻を説得するための年収シミュレーションと家計防衛策

ここまで「転職は可能」「職種選びが重要」とお伝えしてきましたが、最大の壁は「家族の理解」かもしれません。

特に、妻がいる場合、「年収ダウン」に対する不安は深刻です。私自身、転職を決意した時、妻から「今の収入が下がったら、子どもの保育園代も払えない」と猛反対されました。

しかし、具体的な数字とシミュレーションを見せることで、妻の理解を得ることができました。

転職1年目の年収ダウン150万円を乗り切る具体的な家計戦略

まず、現実を直視しましょう。転職1年目は、年収が100-180万円ダウンする可能性が高いです。

年収480万円→350万円になった場合、手取りは以下のように変化します。

項目転職前(年収480万円)転職後(年収350万円)差額
月給(手取り)約32万円約24万円▲8万円
年間手取り約384万円約288万円▲96万円
月の生活費28万円(貯金4万円)28万円(▲4万円の赤字)▲8万円

このデータから、月8万円の収入減をどう埋めるかが鍵になります。

私が実際に行った家計防衛策は、以下の通りです。

年収ダウンを乗り切る5つの家計戦略

  1. 固定費の見直し:スマホを格安SIMに変更(▲5,000円/月)、保険の見直し(▲8,000円/月)、サブスクの解約(▲3,000円/月)→合計▲16,000円/月
  2. 妻のパート勤務時間を増やす:週3日→週4日に増やすことで、月3万円の収入増
  3. 副業(週末のみ):営業経験を活かして、週末にWebライティングの副業。月2-3万円の収入増
  4. 児童手当・住宅手当の活用:自治体の子育て支援制度を再確認し、申請漏れがないかチェック
  5. 貯金の一時取り崩し:1年目は月2万円の赤字を貯金から補填(年間24万円)。2年目以降の昇給で回復する計画

これらの施策により、月8万円の収入減を「月2万円の赤字」まで圧縮できました。そして、この「月2万円の赤字」は貯金から補填し、2年目の昇給で取り戻す計画を立てました。

配偶者が納得する「5年後の収入逆転プラン」の提示方法

しかし、妻が本当に知りたいのは「1年目をどう乗り切るか」ではなく、「長期的に見て、本当に今より良くなるのか?」です。

そこで、私が妻に見せたのは「5年後の収入逆転プラン」です。

年次年齢年収営業職を続けた場合の予想年収差額
転職前33歳480万円480万円±0
1年目34歳350万円490万円▲140万円
2年目35歳420万円500万円▲80万円
3年目36歳520万円510万円+10万円(逆転)
5年目38歳650万円520万円+130万円
10年目43歳800万円530万円+270万円

このシミュレーションを見せた時、妻の反応は「3年目で逆転するなら、我慢できる」というものでした。

ポイントは、「営業職を続けた場合」の年収推移も同時に示すことです。営業職は「インセンティブ」で年収が上下するため、長期的には昇給が鈍化します。一方、IT業界は「スキル」と「経験年数」で着実に昇給するため、長期的には逆転します。

副業と資格手当で年収ダウンを50万円圧縮するテクニック

さらに、年収ダウンを最小化する方法として、「副業」と「資格手当」の活用があります。

私が実際に行った副業は、以下の通りです。

IT業界で働きながらできる副業(月2-5万円)

  • Webライティング:IT関連の記事執筆。営業経験を活かして「BtoB SaaS」などのテーマで執筆。月2-3万円
  • プログラミング講師(オンライン):ストアカやUdemyで初心者向けの講座を開講。月1-2万円
  • 技術ブログのアフィリエイト:学習過程をブログに書き、プログラミングスクールのアフィリエイトリンクを貼る。月0.5-1万円

また、IT業界では「資格手当」が充実している企業が多く、CCNA取得で月5,000円、AWS認定で月10,000円など、資格を取るだけで月収が上がります。

私の場合、以下のような資格手当を活用しました。

資格取得時期資格手当年間増収
基本情報技術者入社3ヶ月後月5,000円+6万円
CCNA入社6ヶ月後月8,000円+9.6万円
AWS SAA入社1年後月10,000円+12万円

これらの資格手当だけで、年間27.6万円の増収になります。副業収入(年間30万円)と合わせれば、年収ダウン分の約6割をカバーできます。

このような具体的な数字を見せることで、妻の不安を解消し、転職への理解を得ることができました。

💡 家族への相談で悩んでいる方へ

転職を家族に相談するタイミングや伝え方は非常に重要です。こちらの記事で、家族を味方につける具体的な方法を解説しています。

参考:30代の転職、家族にいつ相談すべき?失敗しない3つのタイミング

IT転職エージェントに「30代未経験は無理」と断られた時の対処法

転職活動を始めると、多くの人が直面するのが「転職エージェントからの門前払い」です。

「30代未経験でIT転職は難しいですね」と言われ、求人紹介を断られた経験はありませんか?

しかし、これはあなたのスキル不足ではなく、エージェントのビジネスモデルの問題です。

大手エージェントが30代未経験を敬遠する営業効率の事情

転職エージェントは、求職者を企業に紹介し、採用が決まると企業から「紹介手数料(年収の30-35%)」を受け取るビジネスモデルです。

しかし、30代未経験者は「書類選考通過率が低い」「内定までの期間が長い」ため、エージェントにとっては「営業効率が悪い」のです。

大手エージェントが30代未経験を敬遠する3つの理由

  1. 書類選考通過率が低い:20代未経験者の通過率40%に対し、30代未経験者は25%。エージェントの工数が増える
  2. 紹介手数料が低い:30代未経験者の初年度年収は350万円程度。紹介手数料は約110万円。20代経験者(年収500万円・手数料165万円)より50万円低い
  3. ノルマ達成が優先:エージェントの営業担当者は月のノルマがあり、「効率よく成約できる案件」を優先する

つまり、大手エージェントに断られたのは、あなたの能力不足ではなく、エージェントの都合なのです。

IT特化型エージェントとスクール提携エージェントの使い分け

では、30代未経験者はどのエージェントを使うべきなのでしょうか?

答えは、「IT特化型エージェント」と「スクール提携エージェント」を併用するです。

エージェントタイプ特徴30代未経験への対応おすすめ度
大手総合型(リクルート、doda)求人数が多いが、30代未経験は後回しにされがち△(断られることも多い)★★☆☆☆
IT特化型(ワークポート、Geekly)IT業界に強く、未経験者向け求人も保有◯(丁寧に対応してくれる)★★★★☆
スクール提携型(テックキャンプ、DMM)スクール卒業生向けに求人を紹介。SES企業が多い◎(積極的に紹介)★★★☆☆
直接応募(Green、Wantedly)企業に直接応募できる。エージェントを介さない◎(年齢で弾かれない)★★★★★

私の経験では、最も効果的だったのは「直接応募」です。GreenやWantedlyは、企業が直接求人を掲載しており、「30代未経験可」と明記されている求人に応募すれば、年齢で弾かれることはありません。

一方、エージェント経由の場合、エージェントが「この人は書類が通らないだろう」と判断すると、企業に推薦すらしてもらえません。

書類選考通過率を3倍にする職務経歴書の「翻訳術」

最後に、書類選考通過率を劇的に上げる「職務経歴書の書き方」をお伝えします。

多くの30代未経験者が陥る失敗は、「営業の経験をそのまま書く」ことです。これでは、IT企業の採用担当者には「IT業界と関係ない人」と見なされます。

重要なのは、営業経験を「IT業界で活きるスキル」に翻訳することです。

営業経験を「IT業界で活きるスキル」に翻訳する例

  • ❌NG例:「法人営業として、年間売上5,000万円を達成しました」
  • ⭕OK例:「顧客の業務課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案。課題解決力とコミュニケーション能力を磨きました。IT業界でも、顧客の技術的課題を理解し、適切な提案ができると考えています」
  • ❌NG例:「営業チームのリーダーとして、メンバー5名を指導しました」
  • ⭕OK例:「チームのKPI管理とメンバーの進捗管理を担当。データに基づく意思決定の重要性を学びました。エンジニアとしても、プロジェクトの進捗管理やタスク管理に活かせると考えています」

このように、「営業の実績」ではなく「そこで身につけたスキル」と「IT業界での活かし方」を書くことで、採用担当者に「この人はIT業界でも活躍できそうだ」と思わせることができます。

実際、私はこの「翻訳術」を使って職務経歴書を書き直したところ、書類選考通過率が15%→42%に改善しました。

💡 履歴書・職務経歴書の書き方で悩んでいる方へ

転職回数が多い場合の履歴書の書き方には特別なテクニックがあります。こちらの記事で詳しく解説しています。

参考:30代で転職7回は不利?履歴書の書き方で採用率を3倍にする方法

転職活動開始から内定までの3ヶ月ロードマップ

ここまで、「転職は可能」「職種選びが重要」「家族の説得方法」「エージェントの使い方」とお伝えしてきました。

最後に、「今日から何をすべきか」を明確にするため、3ヶ月で内定を獲得するロードマップをお伝えします。

1ヶ月目にやるべき学習内容と避けるべき完璧主義の罠

転職活動の1ヶ月目は、「学習の方向性を決める」「基礎を固める」ことが最優先です。

1ヶ月目のTo Doリスト

  1. 職種を決める:インフラエンジニア、Web系プログラマー、カスタマーサクセスのどれを目指すかを決定(1-3日)
  2. 学習教材を揃える
    • インフラエンジニア志望:「ゼロからわかるLinux超入門」「1週間でCCNAの基礎が学べる本」
    • Web系プログラマー志望:「Progate」「Udemy(Web開発の基礎コース)」
    • カスタマーサクセス志望:「カスタマーサクセスとは何か」(書籍)
  3. 毎日2時間の学習時間を確保:朝6-7時、または夜22-24時など、固定の時間を確保
  4. 学習記録をつける:Notionやスプレッドシートで「今日学んだこと」「分からなかったこと」を記録
  5. 完璧主義を捨てる:すべてを理解しようとせず、「とりあえず動かす」「手を動かす」ことを優先

1ヶ月目で最も重要なのは、「完璧主義を捨てる」ことです。

多くの人が「すべての基礎を完璧に理解してから次に進もう」と考えますが、これは時間の無駄です。プログラミングは「分からないまま進み、後で理解する」の繰り返しです。

私自身、最初の1ヶ月は「Linuxのコマンドを暗記しよう」と完璧主義に陥り、時間を無駄にしました。しかし、「とりあえず手を動かす」に切り替えた途端、学習スピードが3倍になりました。

2ヶ月目の応募戦略で重要な「質より量」の判断基準

2ヶ月目は、「ポートフォリオ作成」と「転職活動開始」を並行して進めます。

2ヶ月目のTo Doリスト

  1. 簡単なポートフォリオを作る
    • Web系:Todoアプリではなく、「自分が使いたいアプリ」を作る(例:転職活動の進捗管理アプリ)
    • インフラ:VirtualBoxでLinuxサーバーを構築し、Webサーバー(Apache)を立ち上げる手順書を作成
  2. GitHubにコードを公開:READMEに「なぜこれを作ったか」「どんな技術を使ったか」を記載
  3. 転職サイトに登録:Green、Wantedly、doda、ワークポートに登録
  4. 「未経験可」の求人に20社応募:書類選考通過率は25%程度を想定。5社通過を目指す
  5. 書類選考の結果を分析:10社応募して1社も通らない場合、職務経歴書を見直す

2ヶ月目で重要なのは、「質より量」です。

多くの人が「完璧なポートフォリオを作ってから応募しよう」と考えますが、これは時間の無駄です。まずは「最低限のポートフォリオ」で20社応募し、書類選考の通過率を見ます。

通過率が低ければ、ポートフォリオや職務経歴書を改善します。この「応募→分析→改善」のサイクルを回すことが、最短で内定を獲得する方法です。

3ヶ月目の面接で「なぜ33歳で未経験なのか」を武器に変える回答例

3ヶ月目は、「面接対策」と「内定獲得」に集中します。

面接で必ず聞かれるのが、「なぜ33歳で未経験からIT業界に転職するのか?」という質問です。

この質問に対する回答が、内定の可否を分けます。以下は、私が実際に使った回答例です。

「なぜ33歳で未経験なのか?」への模範回答

❌NG例:「営業に疲れたので、IT業界に転職したいと思いました」

→ネガティブな動機。「逃げの転職」と見なされる

⭕OK例

「営業職として8年間、顧客の課題解決に取り組んできましたが、『もっと根本的な解決策を提供したい』と感じるようになりました。特に、顧客から『このシステムがもっと使いやすければ』という声を何度も聞き、IT技術を学べば、より価値の高い提案ができると確信しました。33歳という年齢は決して早くはありませんが、営業で培った顧客折衝力とビジネス視点は、エンジニアとしても活きると考えています。実際、独学で3ヶ月学習し、○○というWebアプリを作りました。これは営業時代に感じた課題を解決するためのものです。今後は、技術力とビジネス視点を兼ね備えたエンジニアとして、御社に貢献したいと考えています」

この回答のポイントは、以下の3点です。

面接で評価される回答の3要素

  1. ポジティブな動機:「逃げ」ではなく「挑戦」として語る
  2. 営業経験の価値化:「営業経験がIT業界でも活きる」ことを具体的に説明
  3. 学習意欲の証明:「独学で○○を作った」という具体的な成果を示す

私はこの回答を使って、5社中3社から内定を獲得しました。

また、3ヶ月目には以下のようなアクションも重要です。

3ヶ月目のTo Doリスト

  1. 面接練習:友人や家族に面接官役をやってもらい、回答を録音して改善
  2. 企業研究:応募企業のWebサイト、採用ページ、社長ブログなどを読み込む
  3. 逆質問の準備:「入社後の研修制度」「先輩エンジニアのキャリアパス」「評価制度」などを質問
  4. 内定後の条件交渉:年収、入社日、リモートワークの可否などを交渉
  5. 退職交渉の準備:現職の引き継ぎ計画を立てる

特に重要なのは、「逆質問」です。面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれた時、「特にありません」と答えるのは最悪です。

逆質問は、「この会社で働くことを真剣に考えている」という姿勢を示すチャンスです。私は以下のような質問をしました。

評価される逆質問の例

  • 「未経験で入社した先輩エンジニアは、どれくらいの期間で一人前になりましたか?」
  • 「入社後の研修制度について、具体的に教えていただけますか?」
  • 「御社で活躍しているエンジニアに共通する特徴はありますか?」
  • 「今後3年間で、どのようなスキルを身につければ評価されますか?」

これらの質問は、「成長意欲が高い」「長期的に働く意思がある」というメッセージを伝えることができます。

💡 退職の伝え方で悩んでいる方へ

内定を獲得した後、現職への退職の伝え方は非常に重要です。引き止めにあった時の対処法や、円満退職のポイントをこちらで解説しています。

参考:30代の転職、退職をいつどう伝える?引き止めを回避する3つのテクニック

よくある質問

33歳と35歳では転職難易度はどれくらい違いますか?

統計データによれば、33歳の転職成功率は38%、35歳は18%と、約2倍の差があります。

これは「30-34歳」と「35-39歳」という企業の年齢カテゴリの違いによるものです。33歳は「30代前半」として扱われますが、35歳は「30代後半」として扱われ、採用担当者の心理的ハードルが上がります。

また、求人数も33歳は約480件、35歳は約280件と、大きく減少します。つまり、33歳は「ギリギリ間に合う」年齢、35歳は「かなり厳しい」年齢と言えます。

ただし、35歳でも転職に成功している人はいます。その場合、「ポートフォリオの質が非常に高い」「営業経験をカスタマーサクセスで活かす」など、明確な強みが必要です。

プログラミング学習の挫折率が高いと聞きますが、30代でも続けられますか?

プログラミング学習の挫折率は、独学の場合約70%と言われています。しかし、30代の挫折率が特別高いわけではありません。

挫折する理由は、以下の3つです。

プログラミング学習で挫折する3つの理由

  1. 目的が不明確:「とりあえず勉強しよう」では続かない。「○○を作りたい」という明確な目的が必要
  2. 完璧主義:すべてを理解しようとして、前に進めない。「分からないまま進む」勇気が必要
  3. 孤独:一人で学習していると、モチベーションが続かない。勉強会やコミュニティに参加することが重要

30代の強みは、「目的意識の明確さ」と「自己管理能力の高さ」です。20代のように「なんとなく勉強」ではなく、「転職するために勉強」という明確な目的があるため、継続しやすい傾向があります。

私自身、33歳で学習を始めましたが、「家族のために絶対に転職する」という強い動機があったため、挫折せずに続けられました。

IT業界に転職して後悔した30代未経験者の失敗パターンは?

IT業界に転職して後悔する人には、以下のような共通パターンがあります。

IT転職で後悔する5つの失敗パターン

  1. SES企業でスキルが身につかない現場に配属:ヘルプデスク(電話対応)やデータ入力など、「IT業界にいるだけで、ITスキルは身につかない」現場に配属され、数年後に「何もできない」状態に
  2. 年収ダウンを家族に隠していた:妻に相談せずに転職し、年収ダウンが発覚して家庭内が険悪に。最悪の場合、離婚に至るケースも
  3. プログラミングスクールの高額ローンを抱えた:70万円のスクール費用を分割払いにし、転職に失敗。借金だけが残る
  4. 「Web系自社開発企業」を目指して挫折:30代未経験者には難易度が高すぎる企業を目指し、書類選考で100社落ちて心が折れる
  5. 入社後のギャップ:「IT業界=自由な働き方」と思っていたが、実際は長時間労働・休日出勤が多く、「営業の方がマシだった」と後悔

これらの失敗を避けるためには、「事前の情報収集」「家族との相談」「現実的な目標設定」が不可欠です。

特に、SES企業に入社する場合は、「どんな現場に配属されるのか」を事前に確認し、「スキルが身につかない現場なら断る」という覚悟が必要です。

まとめ:33歳は「最後のチャンス」ではなく「最高のタイミング」

ここまで、33歳未経験でIT転職を成功させるための戦略をすべてお伝えしてきました。

最後に、もう一度核心をお伝えします。

33歳未経験でIT転職は「条件付きで可能」です。その条件とは、「職種選び」「家族の理解」「3ヶ月の集中学習」の3つ。

そして、33歳は「ギリギリのタイミング」ではなく、「営業経験8年という武器」と「IT人材不足という追い風」が重なる最高のタイミング」です。

35歳になると難易度は2倍に跳ね上がります。36歳になると、求人数は3分の1以下になります。

今、この瞬間が、あなたの人生を変える最後のチャンスです。

明日から、いえ、今日から始めましょう。

今日からできる3つのアクション

  1. 職種を決める:インフラエンジニア、カスタマーサクセス、Web系プログラマーのどれを目指すかを決定(30分)
  2. 学習教材を購入する:UdemyやProgateで最初のコースを購入し、今日中に1時間学習(1時間)
  3. 家族に相談する:この記事を見せて、「3年で年収逆転できる」というシミュレーションを共有(30分)

33歳のあなたには、まだ時間があります。

しかし、その時間は「無限」ではありません。

今日から動き出せば、3ヶ月後には面接を受けています。6ヶ月後には内定を手にしています。1年後には、新しいキャリアをスタートしています。

そして3年後、「あの時、決断して本当に良かった」と思える日が必ず来ます。

あなたの転職成功を、心から応援しています。

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